既にご存知の保護者の方も多いと思いますが、平成28年度より、準備が出来た市区町村より順次全ての小学校に特別支援教室が導入されます。
当サイトを含め、よく「通級」という言葉を使っておりますが、これは正式には情緒障害等通級指導学級というものですが、これが新たに「特別支援教室」に変更になります。
情緒障害等・・・とは、発達障害(高機能自閉症、アスペルガー症候群、注意欠陥多動性障害、学習障害等)のことで、知的障害がある児童は支援学級(固定級)となります。
現時点での通級は、全ての学校に設置されておりませんので、設置されてない学校の児童は親と共に週に1〜2回、通級学級の設置の小学校まで通うことになりますが、全ての小学校に発達障害の児童が在籍していると推測されるため、在籍校で指導が受けられるようにするため、今回の「特別支援教室」を各小学校に設置し、教員が巡回指導を行うというものです。
これまでどおり、必要な時間数の指導を受けることができる。また、基本は在籍校で巡回指導を受けるが、指導上の必要により在籍校以外で指導を受ける方が効果的な場合等は他校の特別支援教室に通うことも可能。
巡回指導の拠点校は、区市町村教育委員会が地域の実情を踏まえ、これまでの通級指導学級設置校に設置する場合や設置校以外の学校に新たに設置する場合がある。巡回する日数は、指導する児童数や時間数等に応じて、学校及び区市町村教育委員会が決定する。
各小学校を巡回する臨床発達心理士等は、基本的には児童に対する指導上の配慮について巡回指導教員や在籍学級担任等への助言を行う役割を担います。ただし、巡回指導教員や在籍学級担任等を通して家庭教育への相談を行うことは可能です。
現在の通級の担当教員の名称が巡回指導教員と変更になります。
この巡回指導教員が拠点校から各小学校に出向き、在籍学級担任との相談の上、児童の障害の状態に応じた指導を実施します。
また、在籍学級では、指導を受けている児童だけでなく、学級全体の状況を観察し、在籍学級担任に助言等を行います。
更に特別支援教室の導入を円滑に行うため、新規に特別支援教室専門員の配置及び臨床発達心理士等の巡回を行います。
巡回指導教員や特別支援教育コーディネーター、在籍学級担任等との連絡調整及び個別の課題に応じた教材の作成、児童の行動観察や記録を行います。
臨床発達心理士・特別支援教育士・学校心理士のいずれかの資格取得者であり、特別支援教室導入校を巡回する。児童の行動観察を行い、障害の状態を把握し、巡回指導教員・在籍学級担任等に指導上の配慮について助言します。
ご存知のように近年、通級は非常に人気で、申し込んでも入れない児童も出ていますし、設置校以外の児童は親が送り迎えをしないといけません。比較的自由になる時間がある親でしたら大丈夫でしょうが、仕事をしている人などは送迎は困難で、申し込みしたくてもできないという人も多く、そのような人たちからすると新たな制度は歓迎でしょう。
ただ、平成24年度から目黒区、北区、狛江市、羽村市でモデル事業を行っておりますが、既に通級指導学級に通っている親からは不満の声も多く聞かれます。
(人数増加により、教員一人当たりの担当児童の増加、一日当たりの時間数の削減など。)
色々なものが見えてきたら、またこちらに情報を追加したいと思います。(平成27年6月7日現在)